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学生の方必見!知っておきたい国民年金の学生納付特例と追納制度~2022年5月から電子申請が可能に~

20歳になると国民年金に加入し保険料を納めていくことになりますが、学生の方など収入がない場合には保険料の納付が難しい方も多いのではないでしょうか。そこで知っておきたいのが、在学中の保険料の納付が最長10年間猶予される国民年金保険料の学生納付特例制度です。

今回は学生納付特例制度と、後から保険料を納める追納制度についてご説明致します。

日本に住む20歳以上の方は国民年金の被保険者となりますが、学生なら学生納付特例が利用できる

日本は国民皆年金ということで、国内に住む20歳以上60歳未満の方は国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務付けられています。令和4年度の保険料は月額16,590円、年額にすると約20万円となりますから、20歳以上とは言え、まだ学生で収入がない方にとっては大きな負担かもしれません。そんな時に利用できるのが学生納付特例制度です。

(ご参考)国民年金保険料の学生納付特例制度

被保険者ご本人の前年の所得が一定以下など、次の条件を満たす場合に利用でき、適用を受けると学生納付特例期間の保険料が全額猶予されます(免除されるわけではありません)。

  • 所得基準(申請者本人)
  • 128万円(令和2年度以前は118万円) + 扶養親族等の数 × 38万円 + 社会保険料控除等

  • 学生であること
  • 大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校及び各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する方。なお、夜間・定時制課程や通信課程の方も対象となります。

    対象となる学校は、学生納付特例対象校一覧で確認できます。

なお、通常通り納付できる場合は、資金的に可能であれば、2年分を前もって納付する「2年前納」制度を利用すると約15,000円の割引になるためおトクです。

学生納付特例を利用した場合には、将来に向けて後から追納を

学生納付特例を利用しても免除になるわけではありませんので、猶予された保険料は10年以内に追納する必要があります。もし、そのまま納付しなければ、老後などに受け取る年金額は満額と比べてその分減額されてしまいますので、後からでも必ず納付するようにしましょう(なお、学生納付特例期間は受給資格の計算で必要となる受給資格期間には算入されます)。

(ご参考)国民年金保険料の追納制度

追納する場合、保険料の免除もしくは納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降の場合には、学生納付特例の承認を受けた時点での保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。例えば、令和元年度分については本来の保険料は1ヶ月あたり16,410円ですが20円加算されて16,430円に、追納できる最も以前の平成24年度分については1ヶ月あたり本来14,980円ですが、240円加算されて15,220円となっています。大きな金額ではありませんが、加算されることは知っておきましょう。

保険料を追納する場合10年以内であれば追納可能ですが、経過期間に応じた加算が発生します
学生納付特例を利用すると、国民年金保険料の納付が猶予されます

また、国民年金保険料は所得税や住民税の計算をする際には社会保険料控除と呼ばれる所得控除になりますが、これは実際に納付した年に適用されます。学生時代は所得がなくて所得控除のメリットを受けられなかったとしても、社会人になり所得が発生していれば、その時点で納付することで所得控除を受けられるわけです。社会人になり、収入を得られるようになったら将来の年金受給額を増やしておくためにも追納しておきましょう。

学生納付特例中や免除中はiDeCoに加入できません

国民年金の被保険者であれば、基本的にiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入することができますが、保険料が猶予もしくは免除されている期間においてはiDeCoに加入できません。

国民年金保険料を支払うお金がないから免除されているはずですから、本来iDeCoの掛金を納付する余裕はないはずなので、このような方はいらっしゃらないと思いますが、制度としても免除中は加入できない仕組みになっているのです。

2022年5月から電子申請が可能に

学生納付特例の実際の手続きは、原則として毎年行うことになります。市(区)役所または町村役場の国民年金窓口や年金事務所、日本年金機構ホームページで申請書を入手し、記入の上、住民票を登録している市(区)役所または町村役場の国民年金窓口(在学中の学校等が学生納付特例の代行事務を行う許認可を受けている場合は在学中の学校等も可能)に提出します。

手続きを書面でやるのは面倒だと感じられる方もいると思いますが、2022年5月11日から、国民年金被保険者の資格取得(種別変更)の届出、国民年金保険料免除・納付猶予申請および学生納付特例申請について、「マイナポータル」からの電子申請が開始されました。

(ご参考)国民年金の加入や保険料免除に関する電子申請を開始しました

書類を取りに行ったり、提出しに行ったりということに比べれば、電子申請が可能になったことで大幅に利便性が高まったと言えるのではないでしょうか。

人生100年時代ということで老後と呼ばれる期間が伸び続けているわけですが、その老後生活を支える収入の柱は公的年金です。長生きリスクに備えるためにも、国民年金の必要な手続きはしっかりやっておくようにしましょう。

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横田健一

株式会社ウェルスペント 代表取締役

ファイナンシャルプランナー。大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。家計相談やライフプラン・シミュレーションの提供を行い、個人の資産形成をサポートしている。

東京大学理学部物理学科卒業。同大学院修士課程修了。
マンチェスター・ビジネススクール経営学修士(MBA)。

資産形成ハンドブック:https://shisankeisei.jp/
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