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上手な家計管理とは?

二十数年前の主婦関連雑誌は、節約のアイディアが花盛りでした。

例えば、「お風呂の残り湯で洗濯をする」「トイレのタンク内に水を入れたペットボトルを沈めておく」「牛乳パックで子供用のイスを作る」「現金は費目ごとに現金を袋分けにして使う」などの節約技が特集されており、“家計管理は節約好きな主婦の手にかかっている”という風潮でした。“家計管理の上手な人”とは、すなわち“こまめに家計簿をつけ、少しでも出費を減らすことのできる人”だったと思います。

さて、昔も今も赤字をださないことは家計管理の基本ですが、これからはもっと長期的な視野が必要になってくると思います。

人生における三大出費

結婚・出産平均年齢の上昇、人口の少子高齢化が止まりません。ライフスタイルは変わっても、人生の三大出費(住宅・教育・老後)は変わっていません。現状に加えて今後のライフスタイルの変化を踏まえた三大出費を見ていきましょう。

  • 住宅
    家族構成の変化や職場の首都圏集中により、若い世帯の多くは親世帯と同居しておらず、地方の空き家が問題化しています。今後コロナ禍の影響によるリモート作業が進めば、現在の都心への一極集中が緩和されて、住宅の地方移転が進むかもしれません。
  • 教育
    現在、男女ともに大学進学率は50%を超えています。コロナ対策により授業の仕方や塾の形、受験制度も大きく変わることが予想されます。今後、進学・受験・留学の費用について柔軟に考える必要があると思います。
  • 老後
    人生100年時代と言われる今、まずは長期化する老後人生のための生活費を動けるうちに準備しておかなければなりません。公的年金の受け取り方を含め、老後の過ごし方、預貯金の運用や管理を再考する必要があります。

現在多くの方が以下のいずれかのような問題をかかえているのではないでしょうか?問題点の洗い出しが済んだら、早めに対策の着手にかかりましょう。

  • 住宅を購入したいが、頭金がたまらない。
  • まだ子どもに手がかかる時期なのに、親の介護も重なってしまう。
  • 住宅購入時期と教育費がかさむ時期が同時期にかぶってしまう。
  • 子どもの教育費のことでせいいっぱい、老後資金のことまで頭が回らない。
  • 老後の健康問題が心配で、とてもセカンドライフの夢を持てない。
  • 貯蓄と年金が、いったいいつまでもつのか不安。
  • 夫婦ともに一人っ子なので、田舎の空き家とお墓をどうすればいいのかわからない。
  • 一人暮らしや施設入居した場合、資産の管理はどうしたらいいのだろう。

簡単な、世帯キャッシュフロー表を作りましょう。

  1. まず最上段右方向に、1年ごとの西暦を記入していきます。
    (※3年経過後は修正を加える、20年分ぐらいを更新していく。)
  2. その下段に家族それぞれの年齢を(子どもは学年も)記入します。
    (※4人家族なら4段とって、それぞれ色分けすると見やすい。)
  3. さらにその下段に、年ごとに集計した収入と支出を記入していきます。
    (※金額は小数点以下四捨五入の万円単位でよい。)

次に、グラフにしてみましょう。

  1. 横軸に西暦年、縦軸に金額をとり、毎年の収入と支出を棒グラフにしてみます。
    ※収入と支出を色分けすると見やすい。西暦の下に子どもの学年も記入。
  2. さらにグラフ上に、合計貯蓄額の折れ線グラフを追加します。 ※黒字年は前年貯蓄に黒字分をプラス、赤字年は赤字分をマイナスして記入。

大きな出費には事前の準備

“家族の年齢とともに20年分のお金の流れをグラフにしてみる”と、出費の時期と準備期間がわかります。例えば、「子どもの進学が重なる時期」「車の買い替え予定年」「大物家電や家具の購入時期」「家のリフォーム時期」「定期預貯金が満期の時期」「退職金受取り時期」等をキャッシュフロー表に加えて見ていけば、「いつ頃何から着手すべきか?」が見えてきます。毎年の収支に変動があったとしても、貯蓄額が底をつかないように日々生活する手段を考えていけばいいのです。人生は山あり谷ありですから、生活を維持するためには収支のバランスが最も大事です。

毎月家計簿をつけるのは向き不向きもあり、私も苦手で続きません。近年はクレジットカード支払いや自動引き落とし等、月をまたぐ支払いも増えていますので、毎月の家計簿だけでは世帯の経済状態を把握するのは困難だと思います。あくまでも想定収支になりますが、“長期スケジュールで、年間規模で帳尻を合わせながら貯蓄額を増やしていく方法”はいかがでしょうか?「来年は子どもの受験で塾代もかさみそうなので、今年のGWは家族旅行を控えておこう…」などの対策がとれるはずです。

検討ポイント

以下のような事態を起こさないように、先を見据えた資金計画を立てましょう。

  • 頭金なしに住宅ローンを組んでしまう。
  • 予定外の出費により定期預金を途中解約してしまう。
  • 運用資金を換金しなければならなくなった。
  • 下の子の学費のために教育ローンを組まざるを得ない。
  • 生活費が足りないので、生命保険を解約するしかない。

毎月の支払金額に余裕があったとしても、まとまった金額を急に用意することはできませんから、老後を見据えた資産形成も早いうちから着手する必要があります。

また、生活の仕方によって老後の必要資金も大きく変わります。サラリーマンと自営業者では公的年金受給額にも大きな差がありますから、住宅ローンの組み方や時期もよく考える必要があると思います。(※住宅ローンを組む際は、物件を見る前に購入可能物件価格の割り出しを先に計画することが重要。)

3年ぐらいで練り直す予測上のマネープランは無駄にはなりません。方向性を再確認することができますから、着実に目標に近づくことができます。上手な家計管理とは?「長期にわたってバランスよく資産全体を管理すること」だと思います。

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  • 森田 久美子

    日本FP協会 CFP®
    国家資格 1級ファイナンシャプランニング技能士

    大学卒業後、広告制作会社や代理店などを経て、2人の子育て中の2002年にFP資格を取得。
    主に子どもと親対象のマネー教育、女性のライフプランや投資についての個人セミナーを実施継続中。

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