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学生生活にはお金がかかる

人生の3大出費といわれるのが住宅・教育・老後です。

日本に比べ、欧米の中でもアメリカなど学費が高い国もありますが、欧米諸国の家庭では子どもの教育にそれほどお金をかけていません。教育の機会均等が保証され、義務教育も充実している先進国の日本において、なぜ家庭でこんなに子どもの教育費がかかるのでしょうか?

原因の一つに、国の教育制度と奨学金制度があります。欧米諸国は、国、自治体や大学などが行う給付型の奨学金が充実していると思います。大学生という地位が社会的に認められているので、美術館、博物館などの入館料が無料だったり、芸術関係の施設利用も激安だったりします。交通機関の大半も格安で乗車できますので、バックパッカーが研鑽を積むための海外旅行もしやすい環境だと思います。ドイツなどでは早い段階から、自身が高等教育を受けるために進学を目指すのか、進学せず社会に出て就業の道を求めるのか、コースを自分で選択するそうです。それだけ大学生の地位を獲得するには条件も厳しいのですが、大学の授業料が無料な上に政府から毎月の生活費も支給される国もあるそうです。

もう一つの原因は、アジア諸国では、昔から子どもの学費は親が用意してきたという文化があると思います。日本でも、習い事や受験、進学費用、大学生の生活費の大半は親がかりです。現在問題視されている「教育格差」が「所得格差」と結びつくのも当然の結果と言えるでしょう。

日本国が支援する奨学金は、「独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)」の奨学金事業が運営しています。国の奨学金のお世話になった親世代も多いと思いますが、昔は前身の「特殊法人 日本育英会」という組織が運営者でした。まだ大学進学率も低い時代に、奨学金を借りて働きながら自力で卒業したという親世代も多かったのではないでしょうか。

ここで一つ注意していただきたいポイントがあります。

今は親世代の頃のように、合格さえしたら後は自分で苦学して何とか卒業できるという時代ではないのだということです。現在は短大・大学進学率は男女とも50%をはるかに超えています。私立大学や専門学校の数も、進学塾など教育産業の数も増え、学校外で受験勉強に割く時間も昔とは比べ物にならないほど増えています。

奨学金制度について

国の奨学金制度は、これまで大半を占めていた貸与型(返還が必要)の基準の見直しに加えて、2017年度より新たな給付型(返還不要)も創設、さらに2020年度からは入学金や授業料の減免も可能になりました。

しかし、給付型(返還不要)奨学金は、世帯での所得制限がある上、在学校での成績基準などの条件や所定の手続きが必要になり、誰でも受けられる奨学金というわけではありません。大学生には卒業前に“就活”という難題も立ちはだかっているので、卒業までアルバイト三昧というわけにもいかないのが現状です。

他に公的な教育支援金としては、都道府県や市町村の社会福祉協議会や地方公共団体の福祉担当窓口等で、母子父子家庭や低所得世帯への無利息の貸付を行っているところもあります。ぜひ本人が悩むことがないよう親子で相談してみてください。

また、給付生試験の実施等、学校・同窓会等による独自の奨学制度が充実している大学等もありますから、よく資料を調べて出願前に進学を希望する先に問い合わせてみるようアドバイスすることも大切です。

最大の課題は、貸与型の奨学金を受けた学生本人が社会人となった後、長期間にわたって返還し続けることができるかどうか?です。様々な返還プランも用意されていますが、貸与型奨学金はいわば「借金」です。社会に出たからと言って昔のような終身雇用ばかりではないですし、景気も長期低迷している中で昇給もままなりません。安易に考えず自分の将来の生活を慎重に計画し、利用する金額を検討する必要があると思います。

少子化で大学進学率も高くなった今、結婚した夫婦双方が貸与型奨学金の返還を行っている家庭も珍しくありません。貸与型第二種奨学金(有利子)は、一般の教育ローンに比べて金利が低いとは言え長期に及ぶ奨学金の返還は、社会に出てからの生活費に重くのしかかってきます。

進学を希望する受験生の親も、

「奨学金があるから大丈夫と本人が言っている…」「自分でなんとかするだろう…」

と軽く考えずに、奨学金申請にあたっては、学生のこれからのリスク回避と生活の相談に乗ってあげてほしいと思います。

進学後の奨学金は本人の銀行口座に毎月振り込まれますが、高校生の「国の奨学金の申請」は、進学する前年(受験前の高3時)に在学高校に設置された窓口を通して「予約採用」の申し込みをします。学校ごとに締め切り日も違い、必要書類等の準備に保護者の協力が必要ですから、余裕をもって計画してください。また、合格発表後に間をおかずに納めなければならない入学金や前期の授業料などは、奨学金を受給する前に事前の準備が必要ですので注意が必要です。

貸与型奨学金が利用しやすくなったことは、進学費用に悩む学生には間違いなく朗報です。一方、かえって若い世代の晩婚化・高齢出産化・少子化を招く結果になりはしまいか?奨学金の返還が原因で、離婚や住宅ローン破綻等の憂き目に遭うようなことはないだろうか?と老婆心ながら懸念しております。

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  • 森田 久美子

    日本FP協会 CFP®
    国家資格 1級ファイナンシャプランニング技能士

    大学卒業後、広告制作会社や代理店などを経て、2人の子育て中の2002年にFP資格を取得。
    主に子どもと親対象のマネー教育、女性のライフプランや投資についての個人セミナーを実施継続中。

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