2017年1月から加入可能に!公務員がiDeCoに加入するメリットとは?
ここ数年で公務員の方の年金制度は大きく変わってきました。今回は、公務員の年金制度改正のポイントを確認の上、新たに加入できるようになったiDeCo(個人型確定拠出年金)のメリットについてご説明していきたいと思います。
公務員の年金制度が大きく変わった!
公務員と言っても、国家公務員、教職員、都道府県庁職員、市区町村職員、自衛隊員、警察官等いろいろな方がいらっしゃるかと思いますが、2015年に、これら公務員の方が加入する公的年金は、それまでの共済年金から一般的な会社員の方が加入する厚生年金に一元化されました。
具体的には退職共済年金のうち厚生年金相当部分については老齢厚生年金に、また共済年金独自の上乗せ年金であった職域年金相当部分は廃止され、代わりに年金払い退職給付(退職等年金給付)という制度が創設されました。2015年9月末時点で公務員だった方は、それまでの職域年金相当部分に加えて、それ以降の分については今回創設された年金払い退職給付(退職等年金給付)を受給することになったのです。一方、2015年10月以降に公務員になられた方の上乗せ年金としては、新しい年金払い退職給付(退職等年金給付)のみとなります。
この公務員の年金制度改正は、年金制度の官民格差の是正が目的と言われており、公務員の方にとっては年金給付額が減額されることになりました。一方で公務員の方も自助努力で老後資金を準備できるよう、税制優遇のあるiDeCoへの加入が認められるようになりました。
公務員は2017年1月からiDeCo加入が可能に
確定拠出年金法の改正により、公務員の方は2017年1月からiDeCoへの加入が可能になりました。
2019年8月時点では、すでに約28.8万人の公務員の方が加入されていますので、平均すると毎月9,000人程度の方が新規で加入申込みをされていることになります。実際2019年8月の新規加入者は11,101人と、いわゆる「老後2000万円問題」の影響もあるのか前年同月比109.6%という水準になっています。
iDeCoの節税効果は?
ここで改めてiDeCoの税制上の3大メリットを確認しておきましょう。
- 積立期間中 : 毎年の所得税・住民税の負担が軽減される
- 運用期間中 : 運用収益(利息・売却益)が非課税
- 受取時 : 一定額まで非課税
このように公務員として働いている時は、毎年の所得税・住民税が軽減されると同時に運用収益が非課税になり、一方、退職後に一時金もしくは年金として受け取る時には一定額までが非課税になるのです。
この税制優遇について詳しく知りたい方は、iDeCoのメリットと留意点をぜひご覧ください。
公務員はiDeCoでいくら積み立てられるの?
では公務員の方はiDeCoに加入することでどのくらいのお金を準備できるのでしょうか。
公務員の方の拠出限度額は12,000円(月額)となっていますので、年間では14.4万円となります。30歳に加入した場合と45歳で加入した場合の2パターンを考えてみると、60歳までの拠出総額は、
- 30歳で加入した場合 : 12,000円 × 12ヶ月 × 30年 = 432万円
- 45歳で加入した場合 : 12,000円 × 12ヶ月 × 15年 = 216万円
となります。
実際には、拠出したお金は投資信託などで運用するのが一般的で、ある程度のリスクをとって平均3%の利回りで運用できたと仮定すると、30歳加入の場合は60歳で699万円に、45歳加入では272万円になることが期待できます(いずれも税金考慮前の数字。以下同様)。
30歳の方と45歳の方で、拠出した金額はちょうど2倍(432万円と216万円)ですが、運用期間も2倍となっているため、60歳時点の金額は約2.6倍(699万円と272万円)となっています。
投資信託などで運用していくと、複利でお金が増えていくことになりますから、運用期間が長ければ長いほど、お金の増え方も大きくなっていくわけです。
最後に
今回は公務員の方の年金制度改正と、iDeCo加入のメリットについてご説明しました。公務員と一言で言っても、もうすぐ現役引退という方もいらっしゃれば、まだなったばかりという方もいらっしゃるかと思います。
まずはライフプランを考えながら、ご自身が受給する年金の見込み額をきちんと確認し、将来のお金について見える化することが第一歩です。その上で、必要に応じてiDeCoなどの税制優遇のある制度を利用して準備していくことが大切だと考えています。
■公務員の方が記入するiDeCo(イデコ)加入書類の書き方
※個人型確定拠出年金イデコ(iDeCo)へのお申込み書類に関する書き方と記入例
※掛金の配分指定はiDeCoアプリで行えます