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iDeCo加入時の勤務先へ書類取り付けが不要に!拠出額の引き上げや年単位拠出ができなくなったなど制度改正のポイントを解説

(公開) 2025年3月

制度改正により2024年12月から、iDeCoを始めるハードルを上げていた「事業主証明書」という勤務先へ作成依頼が必要な書類の提出が不要になりました。

また、拠出額の増額もあったことも要因となり、2024年12月の加入者が約7.2万人(対前年同月比2倍)とiDeCoの加入者が増加しています。

そこで今回は、「事業主証明書」の廃止についてと、制度改正のポイントと注意点について解説をしていきます。

【出典】国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等の概況」(2024年12月)

「事業主証明書」の提出が2024年12月に廃止。勤務先に書類を作成してもらう手続きが不要に!

事業主証明書とは?

新たにiDeCoに加入したり、転職して勤務先が変わったりした場合に、iDeCo口座を開設する金融機関(運営管理機関)を経由して、iDeCoの実施主体である国民年金基金連合会に提出する仕組みでした。

しかし、事業主が証明していた企業年金の加入状況などについて、iDeCoの実施機関である国民年金基金連合会が企業年金プラットフォームから直接確認できるようになったため、「事業主証明書」の提出が不要になりました。

※個人口座から掛金を拠出する場合は、事業主証明書の提出は不要になりましたが、iDeCoの掛金を事業主払込(給与天引)にする場合は、引き続き事業主証明書の提出が必要ですのでご注意ください。

【出典】国民年金基金連合会「事業主払込(登録・納付方法変更等)に関する証明書」

これまでは、会社員・公務員などの第2号被保険者がiDeCoに加入する場合は、企業年金の加入状況や掛け金の上限額を確認するため、iDeCo加入手続き時に勤務先に申請し、「事業主証明書」を作成してもらう必要がありました。

加入者が勤務先の担当者へ記入を依頼しなければならないため、「面倒な仕事を増やしてしまうことになるので、加入するのにハードルが高い」や、「個人の資産形成なので会社にあまり知られたくない」という声を耳にしていました。

またこの手続きは加入者だけでなく、事業主(勤務先)、運営管理機関、国民年金基金連合会それぞれの負担が大きいという指摘もあったことから、2024年12月から勤務先に申請することなく、iDeCoに加入できるようになりました。これにより、iDeCoの加入時に必要な書類は、加入者のみで作成可能になりました。

これに伴い事業主側も、以下の手続きが廃止されました。

  • 従業員のiDeCo加入時・転職時における企業年金の加入状況に関する事業主証明書の発行
  • 年1回の現況確認

このように事業主証明書の廃止は、加入への心理的なハードルをなくすことや、加入手続きがネット上で完結するという加入者側のメリットだけでなく、事業主側の負担も軽減されました。

公務員を含む確定給付企業年金(DB)などの企業年金制度に加入している人のiDeCo拠出限度額が月1.2万円から最大2万円に!

制度改正により、2024年12月から公務員を含む確定給付企業年金(DB)等の企業年金制度に加入している人は、iDeCoの拠出限度額が月1.2万円から、最大月2万円に引き上げられました。

対象となる方には2024年4月から国民年金基金連合会より通知が発送されています。

【出典】厚生労働省「iDeCoの加入者、加入ご検討の皆さまへ」

※企業型確定拠出年金(DC)の事業主掛金額や確定給付企業年金(DB)などの他制度掛金相当額の評価額によっては、iDeCoの拠出限度額が2万円とならない場合があります。

公務員を含む確定給付企業年金(DB)などの企業年金制度に加入している人は掛金の年単位拠出ができなくなりました

DB等の他制度に加入している方(公務員の方を含む)のiDeCoの掛金の拠出方法は、毎月定額拠出のみとなり、年単位拠出ができなくなりました。制度改正前にiDeCoの掛金が年単位拠出に設定をしていた人は、毎月定額拠出への変更手続きが必要です。

切り替え手続きを行わなかった場合、2024年12月掛金(2025年1月引落し)以降、掛金の引落しが一時停止され、国民年金基金連合会より「iDeCoの掛金引落しが、一時停止されました」という書面が送付されます。一時停止された期間の掛金を遡って追納することはできませんのでご注意ください。

まとめ

今回は「事業主証明書」の廃止についてとその他制度改正のポイント、注意点について解説をしました。

iDeCoを始める際に勤務先へ作成してもらう必要があった「事業主証明書」が提出不要となり心理的なハードルが下がったことや、公務員を含む確定給付企業年金(DB)等の企業年金制度に加入している人のiDeCo拠出限度額が最大2万円になるなど、さらに使いやすくなりました。

将来の年金給付水準は下がると見込まれており、人生100年時代をできるだけ不安を少なく生きるために、自助努力で上乗せをしておくことは重要です。加入を検討していた方はこの機会を積極的に活かしてみてはいかがでしょうか。

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  • 志村織帆

    ブロードマインド株式会社 ファイナンシャルプランナー

    志村織帆

    教員免許を取得するも、人生において切り離せないお金の面で家庭をサポートしたいという思いから、ファイナンシャルプランナーの道を選択。
    保険・証券・銀行・不動産のそれぞれのライセンスを保有して、特定の金融機関に偏らない立場からアドバイスを行う、ブロードマインドへ入社。
    「情報が溢れている中で、正しいお金の選択を一人でも多くの方にしてほしい」をモットーに、年間約300世帯の個別面談やマネーセミナーの講師を経験。

    「マネプロ」は、保険・資産運用・住宅ローンなど幅広い金融商品の無料相談サービス。豊富な知識を持ったプロフェッショナルが、特定の金融機関に偏らない立場からお客様のライフプランの実現をサポートさせていただきます。www.moneypro.jp

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