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【令和8年度税制改正】「178万円の壁」で手取りはどう変わる?こどもNISA、住宅ローン控除延長まで徹底解説

(公開) 2026年3月

令和8年度(2026年度)の税制改正は、私たちの働き方、投資、そして住まいに関わる非常に大きな転換点となります。特に「年収の壁」の引き上げやNISAの対象拡大(こどもNISA)などは、家計に直結する最重要トピックと言えるでしょう。

この記事では、初心者の方でも理解できるよう改正のポイント3つについて分かりやすく解説します。

なお、本記事は令和8年度税制改正大綱をもとに作成しており、今後、国会での法案成立を経て正式に決定される見込みです。

1. 所得税の「178万円の壁」と物価連動制の導入

今回の改正の中でも大きなインパクトを与えるのが、現役世代の負担を軽減する所得税改革です。

令和7年度改正に続き、年収の壁は「178万円」まで引き上げ

従来、パートやアルバイトの年収が103万円を超えると所得税が発生するため、いわゆる「103万円の壁」が就業調整の一因となっていました。今回の改正では、2024年12月の「三党合意」などを踏まえ、令和7年度改正に続いて、課税最低限が「178万円」まで引き上げられます。

具体的には、2026年(令和8年)と2027年(令和9年)の2年間の時限措置として、中低所得者(合計所得金額が489万円以下)の方を対象に、基礎控除が104万円へと上乗せされます。これにより、中低所得層の税負担が大きく軽減されます。なお、この178万円という水準は、2028年以降も生活保護基準額がその額に達するまでは維持される予定です。

物価上昇に合わせた「恒久的な仕組み」の創設

一時的な減税だけでなく、インフレに合わせて控除額を自動調整する「物価連動制」が新たに導入されます。

今後は、消費者物価指数(総合)に連動して、基礎控除(本則)および給与所得控除の最低保障額(本則)が原則2年ごとに見直されます。これに伴い、令和8年度からは、まず基礎控除と給与所得控除の最低保障額がそれぞれ4万円ずつ引き上げられる予定です。

扶養控除等の基準緩和とひとり親支援

今回の改正に伴って、家族の扶養に入るための年収要件も緩和されます。配偶者控除の対象となる配偶者および扶養控除の対象となる扶養親族の合計所得金額要件が、給与収入のみの場合で、従来の「年収123万円以下」から「年収136万円以下」まで引き上げられます。また、ひとり親控除も所得税で38万円(3万円増)、住民税で33万円(3万円増)へと拡充され、生活基盤の安定が図られます。

2. NISAの「投資可能年齢」が0歳からに拡大

資産形成の強力な味方であるNISA(少額投資非課税制度)も、次世代への資産承継を支援すべく拡充されます。

0歳から口座開設が可能に

これまで18歳以上が対象だったNISAですが、年齢制限が撤廃され、0歳から利用可能になります(表中①)。新たに設けられる0歳〜17歳向けの「つみたて投資枠」は、年間投資上限額が60万円、非課税保有限度額は600万円です。この枠は、18歳に到達すると18歳以降の非課税保有限度額(1,800万円)へ移行されます(表中②)。

0歳から利用できる「こどもNISA」の創設

18歳までは原則「引き出し制限」あり

ジュニア世代の長期的な資産形成を目的としているため、18歳までは原則として払い出しが制限されます。

ただし、12歳以降であれば、入学金や教育費などの目的で所定の書類を提出することで払い出しが可能となる柔軟な措置も設けられました(表中③)。また、災害などの緊急時には12歳未満でも払出しが可能です。

なお、こどもNISAについては2027年(令和9年)1月からの予定です。

商品拡充と手続きの簡素化

つみたて投資枠の対象に、「リスクを抑えた債券中心の投資信託」、「国内市場を対象とした株式指数」、「先進国・新興国の株式指数単体で組成された投資信託」が追加されます。

また、金融機関による定期的な住所確認手続きが廃止されるなど、利用者の利便性も向上します。

3. 住宅ローン控除の延長と「省エネ・安全」重視へのシフト

住まいに関する支援策は、社会情勢の変化に合わせた「質」の重視へと舵を切ります。

住宅ローン控除の概要(出所:国土交通省「令和8年度税制改正概要」より、筆者作成)

適用期限が2030年まで5年延長

住宅価格の高騰などを踏まえ、2025年末に期限を迎える予定だった住宅ローン控除は2030年末まで5年延長されます。

省エネ性能への優遇と厳格化

省エネ性能の高い中古住宅については、控除期間が10年から13年へ延長されます。

一方で、「省エネ基準適合住宅」は2028年以降、原則として控除対象外となり、今後は高い水準での省エネ化が減税を受けるための必須条件となっていく流れとなります。

災害リスクへの配慮

安全性を重視し、土砂災害特別警戒区域などの「災害危険区域」での新築住宅については、2028年以降、住宅ローン控除の適用対象外となります。

まとめ:令和8年度税制改正に向けた準備

今回の改正は、働く世代の減税(178万円の壁)、子育て世代の資産形成(こどもNISA)、住まいの質向上(住宅ローン控除延長)など、ライフステージ全般にわたる支援が盛り込まれています。

特に「年収の壁」の引き上げは、働き方を制限していた方にとって大きなチャンスです。また、お子さんの将来に向けた資産形成の選択肢も大きく広がります。

適用時期は項目ごとに異なりますが、今から内容を把握し、ご自身のファイナンシャルプランをアップデートしていただければと思います。

(参考)国土交通省「令和8年度税制改正概要」

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