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「社会課題を解決したい。それが僕の目指すべきゴール」初代バチェラーであり起業家、久保裕丈さんの生き方(3/3)

世間への登場の仕方があまりに鮮烈でした。2017年に放送されたAmazonプライム・ビデオで配信された『バチェラー・ジャパン』。才色兼備の独身男性として主演した久保裕丈さんは、東大大学院修了で起業家、そしてルックスもご覧のとおり。しかし、その画面から得られるイメージは本人のごく一部分に過ぎません。悩み苦しんだ会社員時代や起業。その先に見えてきた、理想とするビジネスモデルや人との関わり、そしてリスクとの付き合い方や投資について。久保流の、発想と思考を覗いてみましょう。

久保裕丈
久保裕丈

■久保裕丈 プロフィール
東京大学工学部、同大学院新領域創成科学研究科を経て、外資系コンサルティング企業のA.T.カーニーへ入社。その後、起業の道に進みファッション通販サイト『ミューズコー(MUSE & Co.)』を立ち上げる。2015年には同社を売却。Amazonが配信する恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』の初代バチェラーとしても知られる。現在、月々400円から利用できる家具、家電のサブスクリプションサービスを提供する『株式会社クラス(CLAS)』の代表取締役社長。

社会課題を解決したい。それが僕の目指すべきゴール

久保裕丈 - 社会課題を解決したい。それが僕の目指すべきゴール

人生100年時代と言われる中、将来に備えて資産運用の重要性があちこちで言われています。久保さん自身、資産運用についてどう捉えていますか?

例えば本業のお給料のような、ベーシックインカムだけで本当に豊かに暮らせるかというと、なかなか難しい時代だと思います。日本の実質賃金は長年上がっていない、あるいは下がっているとも言えますから。では、その部分をどう補填するのか。収入を得る方法が給与だけというのであれば、資産運用を活用するということは必要だと感じます。

ただし、起業と同じで、資産運用にどんなリスクがどの程度の確率で起こりうるか、自分自身で見極める必要があると思います。そこが自分の判断で難しいのであれば、詳しい仲間に頼ったり、プロに依頼することで対処するしかないでしょうね。

その意味で、プロもおすすめしているのが、今ビギナー向けの資産運用制度として注目されている、「iDeCo(イデコ。個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」です。
 これらの制度は、老後等に備えて資産形成をするために、毎月一定額を投資信託等で積み立てるもので、様々な税負担が軽減されるというメリットがあります。
 また、ここで積み立てていく「投資信託」は、みなさんに代わってプロが投資先を見極め、分散して投資・運用を行うものであるため、投資の詳しい知識や経験がなくても手軽に始められたり、株式等をそのまま買うよりも、リスクが抑えられるというメリットもあります。

なるほど。これらの制度をみると、確かにビギナーに向いていますよね。資産運用に興味があれば、まずは少額から試しに始めてはと思います。

それでも、リスクを考えると投資に踏み出せないという人もいます。実際に踏み出せる人との違いは何だと思われますか?

まずは最初の一歩を踏み出せるかどうか、ではないでしょうか。起業も同じで、僕も最初は怖かったです。それでも一歩踏み出すと、実際にリスクが見えてくる。すると、今度はそのコントロールの方法を考えることができる。そして、二歩目、三歩目が踏み出しやすくなります。また、一歩踏み出せたことが小さな自信にもなって行動力がどんどん高まると思います。

もうひとつ、上手にポートフォリオ(どこにどれくらいどんな風に投資するのか)を組めるかどうかも大事でしょう。どの程度の金額なら運用に回せるのか、しっかり見極めることです。実際、先ほど起業するかどうかを見極めるポイントをお伝えしましたが、ビジネスも投資でもリスク回避のためのポートフォリオをしっかり組んだ方がいいでしょう。これをやることで一歩を踏み出すことができる人もいると思います。

CLASの例で言うと、法人のレンタル先として民泊施設はものすごく勢いがありますが、だからと言って、法人の多くを民泊施設が占めることは、やはりリスクが高いことになります。オフィスやホテル、あるいは個人のお客様も含めて、どこかが下火になったら、どこかがカバーするような、安定的なバランスを考えて事業のポートフォリオを組んでいます。

投資も起業も、いかにリスクを分析し、それに備えるかが大事ということでしょうか。そういう中、本業では今後、どういう方向を目指そうと考えているのでしょうか?

起業して気づいたことがあって、結局、僕は社会課題を解決することをしたいんだなと。今はそれを人生のゴールに置いて、そのために何をすべきかを絶えず模索しています。

今のビジネスもまさにそうで、家具を所有せず、レンタルを利用することで、不要な家具を捨てることが減らせる。無駄に廃棄が増えることを抑えることができると考えています。

さらに、サービスを通じていろいろな家具に触れて、実際に使ってもらう。そうすることで、お客様の家具リテラシーが上がれば、本当に好きな家具、求めていたインテリアが見えてくる。そして、それは生活や人生を豊かにしていく。そういったことが、僕のビジネスを通じて社会に広まってくれたらと願っています。

久保裕丈 - 最初の一歩を踏み出す事が小さな自信につながり行動力が高まる

すべてのことにスマートに対処して、的確に判断する。そんなイメージの久保さんですが、採用面接だけは何度しても難しいと言います。結局、いくら質問してもその人の本質は見えないと考え、「CLAS」では「お試しバイト」を実施しているとのこと。数カ月ともに働くことで、採用側と応募者側、双方のミスマッチが防げるのだとか。

考えてみれば、家具のレンタル事業も、購入前の「お試し」という意味合いがあります。そして、「iDeCo」や「つみたてNISA」による資産運用も少額でいいので「まずは試しにトライしてみては」とアドバイスをくれました。何であれ、新たな第一歩は「お試し」によって、よりスムーズに踏み出せるのかもしれません。

インタビュー・文/清水京武 写真/山田英博

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