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「一緒に旅立つ仲間を募ることで、起業のリスクは分散される」初代バチェラーであり起業家、久保裕丈さんの生き方(2/3)

世間への登場の仕方があまりに鮮烈でした。2017年に放送されたAmazonプライム・ビデオで配信された『バチェラー・ジャパン』。才色兼備の独身男性として主演した久保裕丈さんは、東大大学院修了で起業家、そしてルックスもご覧のとおり。しかし、その画面から得られるイメージは本人のごく一部分に過ぎません。悩み苦しんだ会社員時代や起業。その先に見えてきた、理想とするビジネスモデルや人との関わり、そしてリスクとの付き合い方や投資について。久保流の、発想と思考を覗いてみましょう。

久保裕丈
久保裕丈 - プロフィール

■久保裕丈 プロフィール
東京大学工学部、同大学院新領域創成科学研究科を経て、外資系コンサルティング企業のA.T.カーニーへ入社。その後、起業の道に進みファッション通販サイト『ミューズコー(MUSE & Co.)』を立ち上げる。2015年には同社を売却。Amazonが配信する恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』の初代バチェラーとしても知られる。現在、月々400円から利用できる家具、家電のサブスクリプションサービスを提供する『株式会社クラス(CLAS)』の代表取締役社長。

一緒に旅立つ仲間を募ることで、起業のリスクは分散される

久保さんは2018年、新たに「CLAS」という会社を立ち上げます。これまで日本にはなかった、家具、インテリアのレンタル事業というサブスクリプション(会員制の定額サービス、以下サブスク)を手掛けていますが、なぜこの事業を始められたのですか?

商売を始めるときって、自分自身が不便に感じていることが起点になっているんです。自分事というか、手触りのある課題感がないと、僕はダメだと思っています。

家具について言えば、関心、興味はあっても何を選んでいいかわからない。かと言って、買ったけど失敗したというのは、洋服などと違って経済的に結構な痛手です。そういう消費者の目線で考えて、自分が使ってみたいと思えるサービスが今の事業なんです。

意外だったのは、一部は家具メーカーの委託品を扱っているものの、メインは自社で企画、製作する家具だということ。なぜ、あえて手間も時間もかかる方法を選択したのですか?

サブスクは、お客様のところに商品を届けて、また戻して、完璧にリペアをかけてお客様にまた届けるという、循環型のビジネスです。しかし、現在市場に出回っている多くの家具が、使い捨てを前提としています。一度組み立てると、もうバラすことができないとか、輸送時に簡単に壊れる程度の耐久性しかないとか。ならば、ちゃんとリペアして循環可能な家具を作るしかないと考えました。

ただ、循環できない家具が多いということは、自分たちにとって大きなメリットでもあります。サブスクに適したモノづくりができるようになって、独自の顧客インサイト(購買意欲の核心、ツボ)が蓄積されれば、サービス自体、さらにアップデートすることができる。しかも、このしくみは簡単には真似できません。だからこそ、自分たちで作ることは意味があると思っています。

起業は、多かれ少なかれリスクをともないます。その上で、起業するかどうかを判断する際のポイント、尺度はあるでしょうか?

起業する前に、想定されるリスクの総量を冷静に見積もることですね。例えば、CLASの場合、市場ニーズはまったく心配していませんでした。リスクとしては、キャッシュフローだけ。サブスク、レンタルって、先にモノを仕入れて、資金回収はそのあとになります。だから、シンプルに資金さえ用意できれば、絶対に勝てると思っていました。

ですが、そのリスクは一人で背負えるほど小さくはありません。生半可のキャッシュでは足りませんでしたから。具体的には2桁億円くらいは必要。そうなると、リスクを背負って、一緒に旅立ってくれる仲間が必要。それを募ることができるかどうかが、ポイントでした。結果、仲間が集まって、コントロールできる程度にリスクの総量が分散され、起業できたのです。

次回「社会課題を解決したい。それが僕の目指すべきゴール」

インタビュー・文/清水京武 写真/山田英博

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